慢性硬膜下血腫という病名は一般的にあまりなじみがないかもしれませんが、脳外科領域では比較的よく見られ、特に高齢者に多い病気です。
この病気は診断が容易で、比較的簡単な手術で治すことができます。しかしその一方で、認知症などと間違われて診断がつかなければ長期に放置される可能性もあるため、一般の方にも知っておいていただきたい病気です。
病名にもある「慢性」とは、ゆっくりと長い経過をとって症状が発現するという意味です。
次に「硬膜下」は、血液が溜まる場所のことを指しています。
硬膜は脳の周りにある固い膜のことで、頭蓋骨の内側にあります。硬膜下とは、この硬膜と脳の間にある隙間を指します。
そして「血腫」とは、出血した血液の固まりです。
つまり慢性硬膜下血腫は、「硬膜下に徐々に出血が溜まってくる病気」ということです。